【テスト記事】住宅性能を示すQ値・UA値とは?計算方法や理想の数値も解説のコピー
この記事でわかること
家づくりで「断熱性能」といえば、冬にせっかく暖めた室内の熱がどれだけ外へ逃げにくいかが大切です。その指標としてよく使われるのが「Q値(熱損失係数)」と「UA値(外皮平均熱貫流率)」です。このコラムでは、専門用語をできるだけ噛み砕いて、計算方法や目指すべき理想の数値をわかりやすく解説します。
Q値とは?
Q値は住宅全体の“熱の逃げやすさ”を表す数値で、床面積1平方メートルあたり、室内外の温度差が1℃あるときにどれだけの熱量(ワット)が逃げてしまうかを示します。数値が小さいほど、熱が逃げにくく断熱性能が高い家といえます。
たとえば、住宅全体で1時間に240ワットの熱が逃げる家があり、その家の延べ床面積が120平方メートルなら、Q値は「240÷120=2.0W/㎡・K」と計算できます。数字が2以下になると、一般的に暖かさを保ちやすいとされています。
UA値とは?
UA値は「外皮(がいひ)」と呼ばれる屋根、壁、窓などの外に面している部分の性能を表す指標です。外皮1平方メートルあたり、室内外の温度差が1℃あるときに逃げる熱量を示し、やはり数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
先ほどの例で、外皮の面積が合計280平方メートルだった場合、240ワット÷280平方メートルで「約0.86W/㎡・K」がUA値となります。換気による熱損失は含まず、外壁や窓など、建物を包む部分そのものの断熱性を詳しく評価できる指標です。
Q値とUA値の違い
両者の大きな違いは「面積の単位」と「換気の取り扱い」です。Q値が延べ床面積を基準に熱の逃げにくさを計算するのに対し、UA値は外皮面積を使います。また、Q値は給気・排気などの換気による熱損失も含めて計算しますが、UA値は換気を除いた外皮部分のみで評価します。2013年の省エネ基準改正以降は、国の基準としてUA値が主に用いられています。
理想の数値目安
住宅性能を選ぶ際の目安として、Q値はおおむね「1.0~2.7W/㎡・K」の範囲内、特に高断熱を目指すなら「1.0~1.6W/㎡・K」が良いとされています。一方、UA値は地域によって省エネ基準が定められており、寒冷地に該当する地域では「0.46W/㎡・K以下」が基準です。さらに、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を目指すなら「0.40W/㎡・K以下」、より快適さにこだわる「HEAT20」では「0.46W/㎡・K以下(G2水準)」や「0.56W/㎡・K以下(G1水準)」と、グレード別に厳しい基準が設定されています。
どうやって活かす?
マイホーム選びやリフォームの際には、ハウスメーカーや設計事務所にQ値・UA値の計算結果を尋ねてみましょう。同じ広さやデザインの家でも、窓の大きさや断熱材の種類、施工の丁寧さによって大きく変わります。数値を比較することで、省エネで快適な住まいを見極めやすくなります。
まとめ
Q値とUA値は、住宅の断熱性能を数値で示す大切な指標です。熱が逃げにくい家は、暖房費の節約だけでなく、冬でも足元まで暖かく健康的に暮らせます。目標とする数値を把握し、ご自分の住まいづくりに役立ててみてください。快適でエコな住まいは、これからの暮らしをより豊かにしてくれます。