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素材

上野 啓太郎
デザインプランナー 上野 啓太郎

突然ですが、私はアクセサリーが好きです。

その中でも、特に好きなのが真鍮。


(写真は撮影の為に磨いてピカピカに笑)

真鍮は新品の頃は落ち着いた金色をしています。
しかし時間が経つにつれて少しずつ色味が深くなり、触れた部分や空気に触れた部分で表情が変わっていきます。

傷も付きますしくすみも出ます。
それでも不思議と「古くなった」とは感じません。

むしろその傷や色の変化が味になっていく。
私はそんなところにとても惹かれます。




だから雑貨屋さんや家具屋さんで真鍮を見るとつい足を止め、、、
そして気付けば買っていることも少なくありません、、、

前回のブログでご紹介した丸テーブル。
実はあの天板も真鍮で仕上げられています。

https://www.iekeikaku.co.jp/blog/entry-5713.html

使い始めた頃とは少しずつ色が変わり光の当たり方でも表情が違う。
毎日見ているのに毎日少しずつ違う。
そんな変化を楽しんでいます。

これは建築も同じだと思っています。

家は完成した瞬間がゴールではありません。
そこから住む人と一緒に時間を重ねていくものです。

だから私は年月を経て魅力が増す素材に惹かれます。

我が家のリビングはアカシアの無垢フローリングを選びました。


エボニー色で塗装した床は今では傷だらけです。
ところどころ塗装も薄くなってきて、「そろそろ塗り直さないと、、、」と思っています。

それでもこの床を選んで良かった。

冬になると乾燥で板と板の間に少し隙間ができます。
逆に湿度の高い季節になるとその隙間はきれいに閉じます。

木が呼吸している。
生きている素材なんだと実感できる瞬間です。

そして、その隙間に入った小さなゴミを妻が一生懸命取っている姿を見るのも我が家の毎年の風景になっています(笑)。

素材にはそれぞれ個性があります。

傷が付きにくい素材。
メンテナンスが楽な素材。
いつまでも新品のように見える素材。

もちろんそれらにも大きな魅力があります。

一方で真鍮や無垢材のように時間とともに変化しながら味わいを深めていく素材もあります。

どちらが正解ということではありません。

ご家族の暮らし方や価値観によって心地よいと感じる素材は変わります。

だからこそ家づくりでは性能や価格だけでなく、「この素材と一緒に歳を重ねたい」と思えるかどうかも大切な視点ではないかと考えています。

素材を選ぶことは暮らし方を選ぶこと。
そんなことを考えながら今日もプランニングしています。